5月

2011年4月28日木曜日(原文のまま)

このところなんとも芸のないタイトルの付け方だ。でも、4月と5月それと8月というのは、月の名前だけでメッセージを持っている月と思う。ラボメンバーが増え、皆の立ち位置をジグゾーパズルのように考え回すだけでも、時間はどんどんすぎてゆく。来月はあと2名。角間にあがる県道の両脇の木々が、見る見るうちに緑色に変わってきた。朝、車のCDのボリュームを上げて、この道を駆け上がるのが、何よりの楽しみである。3連休を金沢で過ごすことにした。町中でシューベルトばかりを演奏するというなんとも粋な音楽祭があるというので、ちょっと覗いてみる。

研究室のHPにつけたブログなのに、芸事の話ばかり多くて申し訳ないが(一応、サイトの運営費は自腹である)、先週の日曜は、大阪の文楽劇場にいた。25年以上の浄瑠璃ファンで、かつては、5代鶴沢燕三の弟子であった祇園の芸子さんを師匠に義太夫三味線の稽古もした(当時、学生、しかも、伝統芸能を受け継ぐということで、僅かな稽古料しかお取りにならなかった)。演目は、碁太平記白石噺の6段目と7段目、そして、女殺油地獄(近松作、なんともおどろおどろしいタイトル)。どっちもはじめて観る演目。7段目の宮城野の妹しのぶは、簑助の使いで、せりふの無いときの人形の所作が凄い。曾我兄弟の物語を下敷きにしていて、日本人は、つくづく仇討ちが好きと思う。近松は、登場人物たちの心理的関係がじつに複雑に描かれ、現代にも通用しそうな佳作である。殺しの場は、想像するとえぐみさえあるが、人形だから、さらりと見ることが出来る。これに付けられた義太夫がやはり圧巻で、切りを語るのが大夫一人と三味線一棹なのに、ワグナーのオペラなんかよりずっと迫力がある。翌朝、実に満足して、金沢に帰る。元気をもらったのか、今週は、割に仕事が進んだ気もする。

木戸先生の撮影した、白山山麓に群生する水芭蕉。あまりに美しい写真なので、お借りした。ここはぜひ一度訪れたい。

投稿者: 髙橋 智聡

ピアノを50年以上弾いている。芸事が大好きで、ほかに、茶道、義太夫三味線、能管、ドイツリートなどいろいろ手を出したが、すべて下手の横好きだった。西洋の古典音楽と日本の文楽をこよなく愛する。この15年ほど、夏山行にはまっているが、太ってしまったのと、まとまった時間がとれないのが悩み。金沢からなら、2−3時間もあれば、北アルプスの主要な峰々の登り口に到達する。そして、虎ファン。現、金沢大学がん進展制御研究所教授、内科医。研究の話は、HPで。 http://omb.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。